お仕事に行ってきたの。
予定より少し早い帰りで、驚いたのよ。
一緒に行ってくれた皆と、ＭＳさんに感謝を。

悪魔と聞いて、つい、飛び込んだお仕事。
思っていた通り、安定のデモニスタ率だったわね。
私は…きっと一緒に居た人たちより、私の中のデモンをあまり詳しくは認識していないのだろうけれど。
それでも、思うところは、あったと思う。
告げたい言葉は、告げられた。
救いたいと願ったのは本音だし、無責任だと思ったのも、本音。
私は、結局……彼を救えたのかしら。
彼の最期も、彼が抱いていた悪魔の姿も、結局知らずじまい。
…ふふ、なんだか悔しいわ。最後まで立っていられないなんて。
意地は張る方だと思っていたのだけれど、まだまだ、足りないのね。
次にお仕事に行く時は、もっとしっかり、気合を入れないと。

――護る、事は出来たのだと思う。
それを思うと、安堵と幸せが湧くわ。

ありがとう、お疲れ様。

（まどろむ、まどろむ）
（現と古の狭間に、落ちて、落ちて、堕ちて）

（そこで見るのは、あまりにも愚かな切望）

婆様は何でも知っていたけれど、私はまだまだ、知らないことの方が多いの。
背後さんも、まだまだ、知らないことが一杯みたい。
新しいことを知った瞬間って、なんだか色んな気持ちが溢れて、幸せよ。

ほんの少しだけ、物悲しいと思ったわ。
けれど、もう何度も眠って、何度も目覚めたもの。
何を憂うことも、無いわ。
ただただ、ありがとうと。それだけを。

お誕生日、おめでとう。
ほんの数日前に告げたときも、何だか幸せな気分だったのだけれど、
同じ言葉を向けられるのも、やっぱり、幸せね。
沢山の気持ちを、ありがとう。
一人ひとりにお礼は添えさせてもらったけれど、ここでも、改めて。

……不思議ね。アクスヘイムで婆様と一緒に居た頃は、お誕生日なんて言葉を聞くことすらなかったのに。
生まれた日を知らない人が多かったからかしら。
私も、きっと生まれたその日ではないのだろうけれど、婆様がそう言っていたから、そうだと思っているの。
きっと、婆様が私を引き取ってくれた日なのでしょうね。
……それとも、本当に生まれた日なのかしら。ふふ、聞いておけば良かったかもしれない。
意味を知りたいと思ったのは、きっと、かけられた言葉が嬉しかったから。
何度告げても足りないわ。本当に、ありがとう。


それと、もう一つ、随分前になるけれど、嬉しかったこと。