あら、あら。大変、うっかりしていたわ。
センテリェオさん、私、貴女に言わなければいけないことを、忘れていたの。
……?
それは、急ぎの用事では、なかったという解釈でいいだろうか
ええ、急ぎ、ではないけれど。大事な、お話よ。
そ、そうか、それなら…。
改まった形になるが、聞かせてもらえれば、嬉しいが。
あら、ふふ、お話というほど長いものでは、なかったわ。
一言、一言だけ。
ただいま、と。
…………あぁ、お帰り、クニークルス。
しかし、困ったな。
貴女の口から、ようやくその言葉を聞くことが出来たのはいいが……
明日、もう一度、お互いに告げる必要があるやも知れない。
そうね、そういえば、もう明日。
センテリェオさんの部隊は、どこへ?
俺は入江で巨獣の相手を。
以前の攻略戦の折にも、多くの巨獣と戦う機会があったからな、今回、活かせていればと思う。
クニークルスは?
私は、砦へ。
どんな結果になるかは、判らないけれど。
出来る限りの精一杯は、してきたつもり。
それは、勿論。
……扉向こうの彼らは、遺跡へ行ったのだったか。
ええ、そう。
私たちは、彼らと、彼らを含めた遺跡組を、無事に送り届けられるように。
そして同じ場所に立つ者の無事を得られるように、だろう?
ふふ、そう、そうね。
それじゃぁ、また明日、改めて。
貴女の口から、素敵な言葉が聞けますように。
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