酷く喜ばしい報と、あまり嬉しくない報と。
どちらも、幾つも幾つも耳に入った。
大きな仕事は何もこれが初めてではないけれど、この部屋に独りになるのは、これが初めてだった。
待てども、待てども、帰らない同居人。
漆黒色の部屋は、つい最近、迎え入れてもらったばかりの場所で。
まだ、慣れていない。
だから、少し怖い。
部屋を満たす黒が、そのまま、全ての色を飲み込んでしまいそうで。
同居人の、彼女は。普段からこの場所に居るし、今まで、ずっと、一人で居た。
不安は、なかったのだろうかと。ふと、思案する。
――きっと、なかったのだろうと、すぐに結論づいた。
それから、闇を恐れることをしない彼女は、きっと、無事だろう、とも。
思い、信じて、少女は薄らと瞳を開いた。
眼前に揺れる炎は、薄暗がりを仄かに照らし、暖かい色に、染めあげていた。
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