貴女は、あの木が嫌いなのだろう?
……? いいえ?
「消してしまうことを、正しい判断だとは思わなかった」?
ええ、そうよ。
だって、それは再び多くの人に憂いを振りまくのと同じだもの。
つまり貴女が言っているのはこういうことだろう。
消してしまいたいと思った。
けれどそれは、正しい判断だと思わなかった。
間違っているのなら、すまない。だが俺には、そう聞える。
…………。
…………?
……わたし、あの木が嫌いなのかしら。
でもあの木は、間違いなく人々を幸せにするわ。
実を求めた人は、幸福になれる。笑顔になれる。憂うことは無いの。
それでも、
……それ…でも?
貴女はあの実を求めようとは思わない。
……そういうことだと、思うのだが。
……。
クニークルス、貴女がどう受け止めているのであれ、俺はあの実が嫌いだ。
だから、彼の行いは凄いと思うし、駆けつけられないことが悔しくも思う。
ただ純粋に、そう思ったな。
……私ね、貴女の言うように、きっとあの木が嫌いよ。
でも、否定しない程度には、好きだと思ってる。
駆けつけることが出来ないのは悔しいけれど。
けれど、冷静に見つめられる位置にいられることを、嬉しくも思う。
一晩考えて至った結果は、きっとここよ。
もう少し、見届けたい。
……貴女がそういうのなら。
俺は、俺の仕事を全うしよう。
ええ、お仕事、頑張ってね。
@背後
もだもだしたけど喪娘らしい結論に至りました。
そして予約順位151位に戦慄しました。
締め切り間近にはもう少し増えるのかな。すげぇな。PR