前略。私は幸せです。
親愛なる婆様へ告げる、言の葉。
言葉は力を持っていると婆様は言っていたわ。
だから私はいつだって目一杯告げるの。幸せよ、って。

大きなお祭と、その後に小さなお祭へ足を運んだわ。
大きなお祭は、都市中を騒がせた、アクエリオ水神祭。
小さなお祭は、白い白い木造の街での演奏会。
水神祭ではたくさんの人と遊んだわ。
ディオスボール、お誘いしてくれた人も、お誘いに乗ってくれた人も、ありがとう。
勝ち負けは、あまり興味がないから見てなかったのだけれど、勝てたねって、嬉しそうに告げられて、何だか私も嬉しくなったわ。
新しい水着も、無事にお願いできたし。
欲しかったの。どうしても…ヒトカタ絵師の全身図が。
だって、BUからずっと、何度も、お願いさせていただいている絵師さんだもの。
一枚くらい…お祭の記念品なら、なおのこと。欲しくなっても仕方がないと思うの。
引き受けていただけて、本当に、嬉しかった。
手首に纏ったブレスレットは、絵師さんのサービスなの。
パレオを白にしたから、花はいいかなって、書かずに居たから、とっても驚いたし、とっても嬉しかったの。
幸せが零れて、零れて、どうしようかと思ったわ。

幸せと、言えば…ね。
ゼルガさんと、一緒にお出かけした白い街の音楽祭。
軽快な音と爽快な色に満たされた旅団の皆で、行こうかってお話をしていたの。
でも、ね。白に満たされた街のお話を聞いた瞬間、あぁ、一緒が良いなって、思って。
お誘いに、応えてくれて。それだけでも嬉しかったのよ。
綺麗なフルートの音色は、差し伸べられた手のひらのようで……とっても、とっても、幸せだった。
聞き零すのも勿体無いし、足を止めるのも勿体無い。
普段なら、どちらか一方に集中しがちなのに、どうしてかしら。
ふふ、不思議。でも、素敵。

どちらのお祭も、とっても楽しい時間をすごせたわ。
一緒に遊んでくれた人たちに、感謝を。

水神祭を開くために赴いた、コゼットとの戦い。
私は……私は、ほんの少しでも力になれればそれでよくて……
コゼットの最期を見届けられる位置まで辿り着けたことが、今でも信じられないくらい。
あの場所は、彼女を見送る場所でもあったし、ソオラさんを見守る場所でもあったの。
お疲れ様、ありがとうって、駆け寄って告げたかったのだけれど……
きっと、あの時の私にはそれだけの余裕はなかったわ。
ここ最近、ずっと、最期まで立っていられないケースが多いのよね……
無茶をしている覚えはないけれど……無茶、なのかも知れないわ。
体力が心許ないのは十分承知しているけれど、だからと言って後ろにばかりいるのは性に合わないもの。
婆様のナイフ。振るわなければ、形見と持ち出した意味がない。
……意地の、問題かしら。
それなりに、張っているつもりだけれど…私には、まだ、足りないようね。
踏み込む力はなくても、踏みとどまる意志は、ある、はずだから。

だから、素敵なお祭の後の、楽しい宴を、絶対に邪魔させは、しない。
理不尽な憂いは、あってはならないの。
杞憂に終わらせるためにも、頑張るわ。





@背後
称号、変えました。
空想の隷嬢、気に入ってはいたんですけど、長いなぁって思ってて。
１ｓｔも３ｒｄも漢字３字できているので、クニークルスも揃えたいなぁとも。
漢字３文字にはなりませんでしたが、短くなったので良しとします。

さちつき。
幸せを憑ける、ですかね。
幸せに憑かれているわけではない。
受動態にするなら、幸せを興じる幻想に、辺りでしょうね。
嘘吐きとかけての幸吐きでも良いかなと思ったけど、
クニークルス的には幸せを吐き出しているよりは幸せを受け取っている感じかなと。
色々考えたようで、結局は語呂の良さが一番だったりします←