できれば、私達の側に来て欲しかった、何て……我侭よね。
婆様は言っていたもの。誰にも選ぶ権利があるって。
周りは、選択肢を増やすことしか出来ないんだって。
リコッタさんが自分で考えて選んだ道なら、きっと、後悔はしないのよね。
クライブさんは、大切なパートナー、だものね。
ふふ、理不尽だと感じる戒律ゆえの関係ではあるけれど、私、その絆はとても素敵なものだと思う。
頑張ってね、リコッタさん。
私は、貴女が敵として目の前に現れても、迷わない。

それは、それとして。
また、ぼんやりしている間に、色々なことが過ぎていったのね……。
シャルムーンデイは、全く参加しなかったわ。
街角を眺めるだけ。楽しそうな空気は、眺めているだけで楽しいもの。
でも……そうね、来年、同じようなお祭りがあるのなら、私も思い切って参加してみたい、な。
それと……妖精騎士のお話かしら。
とても強い人達。棘に侵されて、自分の目的も見失っている人達。
対峙する人たちは、きっと、救おうとしているのよね……。
出来れば私も、行きたかったけど……ふふ、残念ながら、遺跡の周りを片付けるだけで、お役御免。
お友達を見送って、待っているところ。
……見かけた姿に、そういえば、告げていない言葉があったのを、今更思い出したわ。
今度は、きちんと告げたい。出てしまった後だけれど、頑張って、ね。

それから……それから？
そのくらい、よね。ここ最近のお話は。
うん、それともう一つ…二つ。
明日は猫の日と聞いたのだけれど、ふふ、実は、私が初めて空を見た日でもあるの。
曇り空は淀んだ灰色をしていたけれど、天井の光とは全然違った、暖かな色をしていたわ。
変わる色を眺めて、瞬く星を仰いで。
気が付いたら、力を得ていた。そんな日。
記念にかこつけて、随分以前に拾ってきたバトンを置いておくわ。
ラヴィさんの所で見かけた、性転換バトン。
殿方な私は、どんな風になるのかしらね？

＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊

*性転換バトン*
今、この時点で自分が異性に生まれ変わったものとして以下の質問に答えてください。

*設定*

【名前】
アウィス・アーラ（avis ala）

鳥の翼。やはり本から拾ってくるだろう。

【外見】
身長１７５ｃｍ程度
やや垂れ目で温和な表情。
肩に付かない程度の黒髪、細身の体
緩いローブを纏った魔法使いっぽい様相
色白でいかにも体力がなさそう

【性格】
温和の振りをした慇懃無礼。
知識欲が抱負で本の虫。知力が体力を補っていると言い張る。
可愛いものにはめっぽう弱く、密かにぬいぐるみなどを集めた部屋を所持
雨音は安眠の供。

【口調】
一人称→俺
二人称→～さん
口調：です、ます、でしょう、でしょうか？

育ての老婆の影響は慇懃無礼な性格へ。

Ｑ１：朝起きたら最初にすることは？
とりあえず窓を開けますね。
外の天気を確かめてから一日の予定を決めますので。

Ｑ２：あなたの職業（学校）はなんですか？
仕事らしい仕事はしてませんよ。
時折施設で朗読をしたりしてます。
あとはまぁ、強いて言うなら冒険者ですか。

Ｑ３：どんな相手と付き合ってみたいですか？
余計な詮索をしない女性の方が好みですね。
別に外見を気にはしませんが、自信のない顔をされると困ります。
卑屈な人間は嫌いですよ。

Ｑ４：自分の自慢できるところはどこですか？具体的に。
さて、なんでしょうね。
まぁ、人よりは本を読む人間だと自負してますので、知識量は少なくないと思いますが？

Ｑ５：どんな格好をしてみたいですか？
いやぁ、今のままで十分ですから、特に何も思いつきませんね。
婆様に良く言われましたがね。もう少し気の利いた格好は出来んのかと。
俺に気を利かせた素敵な装束だと返したら笑われました。良い思い出です。

Ｑ６：どこに行ってみたいですか？
折角なのでお貴族様のお屋敷にお邪魔させていただきたいですね。
最下層から最上層まで、色々なところを見てきましたが、そこばかりはなかなか縁がなく。

Ｑ７：もし自分が本当に異性に生まれ変わったとしたら、今の自分と付き合いたいですか？
ははははは。いやですねぇ、何の冗談ですか？

Ｑ８：このまま生まれ変わったままでいたいですか？
彼女はそれもそれで楽しいと語るのでしょうね。
そんな純粋な部分が費えてしまう俺のままでいたいとは思いませんよ。

Ｑ９：このバトンを５人の友達に渡してください
俺を友人だと言ってくれる奇特な貴方へ。
……冗談ですよ？
彼女の素敵な友人諸氏へ。
五人きりだなんて、勿体無いじゃないですか。