海って、広いのね。どこまで見つめても、先が見えない。
日が沈んでいくのを見つめていると、まるで飲み込まれているよう。
あら。それだと、飲み込まれた陽は、どこへ行くのかしら?
海の中を照らして、また、帰ってくるのかしら。
ふふ、一晩中眺めていたら、判るのかもしれないわね。
波の音が心地よくて、無音ではないはずなのに、静かな空気に満たされていて…楽しかった。
一緒に行った人たちと、お話もできたし、ね。
…あまり、聞かないつもりでいたのだけれど……こっちまで暖かくなるような気がして、聞かせてもらえてよかったって思ったり、少し、物寂しくなったりもしたり。
色々と、思いを巡らせる時間になったなって、思ったの。
……。
なんだか、ね。帰ってきてからも、ずっと、胸の奥が熱いの。
ふふ、陽の暑さに、あてられたのかしら。
…人と触れ合うことは、特別なことではないと思っていたのよ。
心が伝わるから、鼓動が聞こえるほどに寄り合うのは素敵なことだもの。
照れたり、躊躇ったり、なんて、初めて。
……、熱い、な…。PR