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□    旅立ち。
住み慣れた場所、だもの。離れるのは惜しいわ。
それに、ここには……婆様も眠っているもの。
例えば貴女がまだ生きていて。私が尋ねる事をすれば、きっと、いつもと同じ顔をして言うのでしょうけれど。
お前さんの好きにおし。って。
好きに、って言われると、よく判らないの。
大事にしたい二つの思いは、相反するものだから。
行きたいし、残りたい。
ふふ、困ったわ。どうしましょ。

……場所は、大事にしたい。
だから、ね、だから、なくなってしまうのは、とても悲しいの。
でも、大きなものだから、きっと、重荷にもなるんじゃないかなって。
だから……だから、なくなってしまえばいいとも、思うの。
見て、いるとは思っていないけれど……。
繰り返すことにはなるけれど、もしも、別れ際に、帰ってくるよと聞かせてもらえるのなら。
いつまでも待ってるわ。
またね、と、言わせて。
それぐらいの我侭は、許されてもいいでしょう?


それから、もう一つ。改めて、この間の、海の、感想…。
海って、広いのね。どこまで見つめても、先が見えない。
日が沈んでいくのを見つめていると、まるで飲み込まれているよう。
あら。それだと、飲み込まれた陽は、どこへ行くのかしら?
海の中を照らして、また、帰ってくるのかしら。
ふふ、一晩中眺めていたら、判るのかもしれないわね。
波の音が心地よくて、無音ではないはずなのに、静かな空気に満たされていて…楽しかった。
一緒に行った人たちと、お話もできたし、ね。
…あまり、聞かないつもりでいたのだけれど……こっちまで暖かくなるような気がして、聞かせてもらえてよかったって思ったり、少し、物寂しくなったりもしたり。
色々と、思いを巡らせる時間になったなって、思ったの。




……。
なんだか、ね。帰ってきてからも、ずっと、胸の奥が熱いの。
ふふ、陽の暑さに、あてられたのかしら。
…人と触れ合うことは、特別なことではないと思っていたのよ。
心が伝わるから、鼓動が聞こえるほどに寄り合うのは素敵なことだもの。
照れたり、躊躇ったり、なんて、初めて。

……、熱い、な…。
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喪:クニークルス。喪娘
石:センテリェオ。末子
飴と花も同背後。
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